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型枠解体の手順と安全管理|愛媛の足場撤去と廃材分別術

型枠解体工事は、躯体の完成を最終形へと導く重要な仕上げ工程でありながら、落下・転倒・感電といった重大災害が発生しやすい局面でもあります。愛媛県は台風の常襲地域であり、梅雨期の高湿度や冬季の低温といった気象条件が工程判断に直結します。本稿では、躯体検査から足場撤去、廃材分別までの一連の流れを、現場で実際に判断されている基準に沿って整理し、施主・発注者の皆様が業者選定や工程協議の際に活用できる技術的視点を提供いたします。求職者の方にとっても、現場で求められる安全意識の実像を掴む手がかりになれば幸いです。

型枠解体工事の全体フロー|躯体完成から足場撤去まで

型枠解体は躯体検査合格から通常3〜10日程度で着手されますが、材齢とコンクリート強度の確認を経ずに進めることは重大なリスクを伴います。愛媛の気候特性を踏まえた工期設定が品質と安全の両立に直結します。

躯体検査合格から解体開始までの準備期間

型枠を解体できる時期は、コンクリートの材齢と強度発現によって決まります。一般的に、柱・壁などの鉛直部材は圧縮強度が概ね5N/㎟に達した時点、梁・スラブなどの水平部材は設計基準強度の概ね50〜85%に達したことを確認したうえで解体を進めるのが原則です。現場を見てきた経験から申し上げると、この判定を怠ったまま解体を強行すると、脱型直後にコンクリート表面が剥離したり、荷重を支えきれずに躯体が沈下するといったトラブルにつながります。

そのため弊社では、テストピースによる圧縮試験結果を確認し、気象予報と照合したうえで着手日を決定しています。特に協力業者への事前説明会を必ず開催し、当日の役割分担・撤去順序・非常時の避難経路まで共有します。専門的な観点から重要なのは、材齢日数だけで判断せず、実測強度と気温積算を併用する点です。

愛媛の季節・気候条件を踏まえた工期設定

愛媛県は7〜10月にかけて台風シーズンを迎え、瞬間風速20m/秒を超える日も珍しくありません。足場が組まれた状態で台風が接近すると、シートが受ける風荷重が急激に増大し、足場全体の倒壊リスクが跳ね上がります。そのため、この時期に躯体完成を迎える計画では、解体着手前に台風進路を1週間単位で監視し、必要に応じて養生シートを畳む・部分先行撤去を実施するといった対応が求められます。

梅雨期は湿度が高く、木製型枠が水分を吸収して重量が増し、作業員の疲労を招きます。冬季は早朝の凍結でコンクリート表面がもろくなる可能性があり、日照が確保される時間帯に作業を集中させる工程調整が有効です。業務内容や施工事例については業務内容・施工事例はこちらからご確認いただけます。ご不明点はお問い合わせはこちらまでお寄せください。

足場・仮設の安全な撤去手順|縦・横・斜めの解除順序

足場撤去は組立の逆順が原則で、支保工の荷重移行が完了したことを確認してから着手します。愛媛の中小規模現場では枠組み足場とくさび式足場が主流で、それぞれ解除順序に固有の注意点があります。

支保工との関係を把握|躯体荷重の移行タイミング

支保工は、コンクリート打設直後の躯体を下から支える仮設部材です。この支保工がいつ撤去できるかは、床版・壁版が自重と施工荷重を単独で支持できる強度に達したかで判断します。プロの目で見た場合、支保工の一部だけを先行撤去すると、残った支保工に荷重が集中し、たわみや局部破壊を招く恐れがあります。

床版の場合は概ね設計基準強度の85%以上、梁の場合は同100%程度を目安とし、テストピースの実測値で確認するのが標準的な手順です。愛媛の現場では、湿度の高い梅雨期に強度発現が遅れる傾向があるため、材齢だけを頼りに判断せず、必ず試験結果を待つ姿勢が求められます。撤去中は、部分的な不安定化を防ぐため、中央から端部へ、または端部から中央へと計画的な順序を守ります。

愛媛の枠組み足場・くさび式足場の実践的撤去法

枠組み足場は建枠・ジャッキベース・筋交い・布板・手すりで構成され、撤去順序は「手すり→布板→筋交い→建枠→ジャッキベース」となります。くさび式足場は緊結金具にくさびを打ち込む構造のため、緩めるハンマー打撃の方向を誤ると部材が跳ね返るリスクがあります。

いずれの足場でも、壁つなぎ(アンカーポイント)は最後まで残し、上層から順に解除するのが鉄則です。現場で実際によく見るパターンとして、作業員が効率を優先して壁つなぎを先に外してしまい、足場が揺れて事故に至るケースがあります。撤去した部材はロープで地上へ降ろすか、資材搬出用の垂直リフトを使用し、投げ落としは厳禁です。

足場種別 解除順序 主な留意点
枠組み足場 手すり→布板→筋交い→建枠 建枠の傾き確認
くさび式足場 手すり→踏板→ブラケット→支柱 くさびの跳ね返り
単管足場 手すり→布材→抱き柱 クランプ緩み確認

施工事例の詳細は業務内容・施工事例はこちらをご参照ください。

よくあるトラブルと対処法|解体現場での5大ヒヤリハット

型枠解体では落下・転倒・感電・挟まれ・崩落の5類型が主要事故として挙げられ、業界データでは解体工事全体の労災の概ね6割前後がこれらに集中する傾向があります。原因の多くは手順の省略と段取り不良に起因します。

感電・漏電事故|仮設電源からの被害を防ぐ

解体現場では電動工具用の仮設配線が張り巡らされており、雨天時や湿度の高い日は漏電の危険性が高まります。低圧(100〜200V)であっても、湿った身体に直接触れれば重篤な事故につながる可能性があり、油断は禁物です。専門的な観点から重要なのは、仮設電源盤に漏電遮断器を必ず設置し、月次で動作確認を行うことです。

愛媛の梅雨期・台風期は雨対策が特に重要で、配線の接続部には防水コネクタを用い、電源盤自体も高さ1m以上に設置します。解体作業員と電動工具の使用者が同時に足場上で作業する場合は、両者の距離を2m以上確保し、作業指揮者が指示を出す体制を整えます。パッド(絶縁マット)の設置は電源盤直下と工具の一時置き場に必須です。

手指の挟まれ・斜め部材での転倒|作業スペースの危険

撤去した足場部材や型枠合板を仮置きする際、縦置きにすると倒れやすく、横置きにすると足元スペースを圧迫します。これまで対応したお客様の中で、部材を斜めに立てかけたまま作業を続けた結果、風で倒れて作業員の足を挟むという事例が報告されています。

複数人で同一部材を扱う際は、指差呼称による意思疎通が事故防止の鍵となります。「せーの、持ち上げます」「下ろします、足元注意」といった声かけを徹底し、段取りの甘さが招く事故パターンを未然に防ぎます。作業スペースは最低でも幅1.5m以上を確保し、通路と作業エリアを明確に分けることが、労災リスクを大幅に減らします。

廃材分別と環境配慮|愛媛のSDGs対応と処理費削減

型枠廃材は木製・鋼製・合板の3系統に分別することで、有価物として買い取られる範囲を最大化できます。愛媛県内では木材が概ね3〜8万円/トン、鋼材が概ね12〜18万円/トンの相場で取引されており、分別精度が採算性を左右します。

木製型枠・合板の適切な分別と買取相場

木製型枠と合板は、雨水を吸収すると重量が増して運搬コストが嵩むうえ、買取単価が下がる傾向があります。現場での保管は必ずブルーシートで覆い、地面から10cm以上浮かせたパレット上に積むのが基本です。愛媛は雨量が多い地域のため、この保管ルールの徹底が処理費削減に直結します。

県内の製材所やリサイクル業者との取引実績を持つ業者であれば、汚れ・釘残り・合板/無垢の別で細かく単価が設定され、汚れの少ない合板であれば概ね5〜8万円/トン、釘残り・汚れが目立つ場合は3万円/トン程度に下がることが一般的です。分別を怠ると全量が「混合廃棄物」として扱われ、逆に処理費が発生する結果となります。

鋼製型枠・ジャッキの分別と金属買取ネットワーク

鋼製型枠・単管パイプ・ジャッキベースは、破損・曲がり・錆の程度によって買取単価が変動します。使用可能な部材は中古資材として概ね15〜18万円/トン、スクラップとして売却する場合は12〜15万円/トン程度が目安です。愛媛の地場スクラップ業者と直接取引ができる業者であれば、中間マージンを省いて有利な条件で売却できます。

廃材種別 買取相場 分別のポイント
合板・木製型枠 3〜8万円/トン 乾燥保管・釘除去
鋼製型枠 12〜18万円/トン 錆・曲がり別
単管・ジャッキ 13〜16万円/トン 破損部材と選別

運搬コストは片道50km以内であれば採算に乗りますが、それを超えると買取価格を運搬費が上回る可能性があるため、地域の業者ネットワークを持つことが採算性の鍵となります。産業廃棄物収集運搬許可を有する業者であれば、廃棄物処理法に基づく適正処理と有価物売却の両方を一貫して対応できます。

信頼できる解体業者・協力業者の選び方|愛媛で安全実績を持つ会社を見分ける

解体業者選定の判断基準は、安全衛生推進者・作業主任者の常駐体制、過去3年の労災統計、見積もりに含まれる安全費用の明示性の3点です。愛媛県内でも安全管理体制には業者間で差があります。

面接で見抜く優良業者の3つの質問例

業者選定の場では、次の3つの質問を投げかけることで安全意識の水準を測ることができます。1つ目は「過去3年間の労災件数と内容を教えてください」。数字を即答できる業者は日常的に統計を管理している証拠です。2つ目は「安全衛生推進者は現場に常駐していますか、それとも巡回ですか」。常駐体制であれば安全管理が徹底されている可能性が高まります。

3つ目は「廃材分別の契約内容と処理先を教えてください」。分別ルールが契約書に明記されず、口頭説明に終始する業者は、後日追加費用を請求してくるリスクがあります。回答が曖昧・具体性に欠ける場合、業者選定の候補から外すのが賢明です。現場を見てきた経験から申し上げると、この3つの質問への回答姿勢だけで、業者の姿勢が概ね判別できます。

見積もり内容に含まれるべき安全費用の項目

見積書には、安全教育費・朝礼費用・足場検査費・安全帯定期検査費・廃材搬出処理費といった項目が個別に明記されているべきです。これらが「一式」でまとめられていたり、そもそも項目として存在しない場合、実際の作業時に安全対策が省略される可能性があります。

業界の一般的な相場として、安全関連費用は工事費全体の概ね5〜10%を占めるのが標準的です。この比率が極端に低い見積もりは、後日「追加安全費用」として請求されるか、そもそも安全対策が不十分な現場となる懸念があります。相見積もりを取る際は、金額の総額だけでなく項目の細分化度合いを比較することが重要です。実績や事例については業務内容・施工事例はこちらでもご確認いただけます。詳細なご相談はお問い合わせはこちらまでお気軽にお寄せください。

よくある質問(FAQ)

Q. 材齢確認をせず解体を始めるとどんなリスクがありますか

躯体強度不足による沈下・ひび割れが発生し、補修工事と工期延長の悪循環に陥ります。請負契約違反として後日責任追及されるリスクもあり、材齢と実測強度の双方で確認することが不可欠です。

Q. 雨天時の足場撤去は中止すべきですか

安全面から中止を推奨します。濡れた足場は滑りやすく、業界データでは落下事故の発生確率が乾燥時の概ね3倍以上とされます。工期短縮より労災ゼロを優先する判断が結果的にコスト削減につながります。

Q. 廃材の現場内仮置きの注意点は何ですか

積み上げ高さは2m以内に制限し、転倒防止のロープ固定と周辺への落下防止柵を設置します。木材は火災、湿潤材は悪臭の原因となるため、乾燥保管と定期的な搬出計画が必要です。

この記事を書いた理由

著者 – 前島建設株式会社

これまでお客様からよくいただくご相談として、解体段階での事故報告や、廃材分別ルールが事前に共有されず追加費用が発生したという事例があります。手順の省略や時間短縮のプレッシャーが招く悪循環を、少しでも減らすための判断基準をお伝えしたいと考えました。

この記事が、型枠解体工事を発注される皆様、そして現場で働く方々にとって、安全と採算性の両立に向けた一助となれば幸いです。

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